インテジャーズ

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数、特に整数に関する記事。

ディガンマ関数とリーマンゼータ

ディ(ダイ)ガンマ関数\psi (x)

\displaystyle \psi (x) := \frac{d}{dx}\log \Gamma (x) = \frac{\Gamma'(x)}{\Gamma (x)}

で定義されます。ガンマ関数\Gamma (x)については

integers.hatenablog.com
を参照してください。

Weierstrassの無限積表示

\displaystyle \frac{1}{\Gamma (x)} = xe^{\gamma x}\prod_{n=1}^{\infty}\left( 1+ \frac{x}{n} \right) e^{-\frac{x}{n}}

の対数をとると(ガンマ関数の極x=0, -1, -2, \dotsは避ける)

\displaystyle \log \frac{1}{\Gamma (x)} = \log x + \gamma x + \sum_{n=1}^{\infty}\left\{ \log \left( 1+ \frac{x}{n}\right) -\frac{x}{n} \right\} ー①

が得られ、微分することにより

\displaystyle \psi (x) = -\frac{1}{x}-\gamma - \sum_{n=1}^{\infty}\left( \frac{1}{n+x}-\frac{1}{n} \right) ー②

が得られます*1。更に|x| < 1なら

\begin{align}\sum_{n=1}^{\infty}\left( \frac{1}{n+x}-\frac{1}{n} \right) &= -\sum_{n=1}^{\infty}\frac{x}{n^2}\frac{1}{1+\frac{x}{n}} = -\sum_{n=1}^{\infty}\frac{x}{n^2}\sum_{k=0}^{\infty}\left( -\frac{x}{n}\right)^k = \sum_{n=1}^{\infty}\sum_{k=1}^{\infty}\frac{(-x)^k}{n^{k+1}} \\ &= \sum_{k=1}^{\infty}\zeta (k+1)(-x)^k\end{align}

が成り立つので、

\displaystyle \psi (x) = -\frac{1}{x}-\gamma -\sum_{k=1}^{\infty}\zeta (k+1)(-x)^k.

関数等式\Gamma (1+x)=x\Gamma (x)の対数微分をとれば

\displaystyle \psi (1+x) =\psi (x)+ \frac{1}{x}

が得られるので、結局|x| < 1

\displaystyle \psi (1+x) = -\gamma -\sum_{k=1}^{\infty}\zeta (k+1)x^k

なる級数表示を持つことが分かりました*2。これはEulerが1765年に発見した式です。ディガンマ関数はRiemannゼータ値の母関数を与えることがわかります。この式は別の記事で使うことになるでしょう。

①の時点で\logのTaylor展開をすることによって得られる

\begin{align}-\log \Gamma (1+x) &= \gamma x + \sum_{n=1}^{\infty}\left( \sum_{k=2}^{\infty}\frac{(-1)^{k-1}}{k}\left(\frac{x}{n}\right)^k\right) \\ &= \gamma x -\sum_{k=2}^{\infty}\frac{\zeta (k)}{k}(-x)^k\end{align}

あるいは

\displaystyle \Gamma (1+x)=\exp \left( -\gamma x +\sum_{n=2}^{\infty}\frac{\zeta (n)}{n}(-x)^n \right)

も有名な式です(当然|x| < 1)。これの対数微分を取ったものが四角で囲った式になります。

*1:最後の和は広義一様収束して、項別微分は正当であることが確認できます。

*2:この式はx=0でも成立します。②の時点で\psi (1) = -\gammaが得られるからです。同じことは integers.hatenablog.com で既に扱っていましたが、そこではディガンマ関数の名前は出てきませんでした。