次の補題を証明します:
指数持ち上げ補題
を奇素数とし、
で割り切れない相異なる整数
が
なる関係を満たすとき、任意の正整数
に対して
が成り立つ。
ただし、の一意的な表示
に対して、
と定める。
証明. として、
と表す(
)。因数分解
の右辺の右側の因数を☆とする。Fermatの小定理により、および
が成り立つが、今
なので、
が成り立つ。すなわち、
である。このように指数をの冪のみにした上で、逐次的に
回素因数分解する:
これより、次の主張を証明すれば十分であることがわかる(,
として適用すればよい):
主張
を満たすような
で割れない整数
に対して、
が成り立つ。
しかし、で割れない数
で割ってやれば、次の主張'を証明すれば十分であることがわかる:
主張'
を満たすような整数
に対して
が成り立つ。
としよう。
なので、
と整数
を用いて表せば
を得る。ここで、であることを使った。これで、証明は完了している。 Q.E.D.