個の元からなる集合の分割の個数をBell数と言い、と表します。関-Bernoulli数と同じ記号なので文脈判断の注意が必要です。あるいは、と区別して書くこともあるようです。
と源氏物語の関係については以下の記事が参考になります:
simomath.blog.fc2.com
便宜的にと定義し、は次のようになっています:
集合の分割は
の2通り。
集合の分割は
の5通り。
集合の分割は
の15通り。
数値だけ列挙すると、以下のようになっています:
←素数
←素数
←素数
←素数
←素数
←素数
なお、知られている最大のBell素数はで、Bell素数が無数に存在するかどうかについては未解決問題です。
ちなみに、のことを私はバナナ素数と呼んでいますw
Bell数のみたす漸化式
Bell数は漸化式
を満たします。今、個の元からなる集合の分割を考えます。に着目して、各分割におけるが属する部分集合を考えましょう。とするとき、その集合の元の個数が個であると仮定すると(そのような集合は通りある)、残りの部分は個の元からなる集合の分割になっていることが分かります。こうして得られる各分割にはダブりがないことがわかるので、
が成り立つことがわかりました。
Bell数の母関数
Bell数は次のような母関数表示を持ちます:
.
証明は次回紹介します。
Touchardの合同式
Bell数に関しては次の興味深い合同式が成立します:
Touchardの合同式 任意の非負整数と素数に対して、合同式が成立する。
で確認してみましょう。
なので
ですが、一方、
なので、
が確認できました。
この合同式の証明も別の記事で紹介します。