Dixonの恒等式 (1891/1903) 非負整数に対し、が成り立つ。
とおくと、
で紹介されている
となります。
正整数に対して、多項式 を
で定義します。は を根に持つ次の多項式です。
証明*1. を非負整数とする。多項式を
と定義する。このとき、は個の整数 を根に持つ次の多項式である。
理由: は を根に持つ次の多項式であり、は を根に持つ次の多項式であることからわかる。
次に、多項式 を
と定義する。このとき、も個の整数 を根に持つ次の多項式である。
理由: 各毎に は次、は次、よって は次である。よって、も次。根については三通りに場合分けして確認しよう。
・の場合: このような非負整数を固定して、各に対してに関する項
が消えていることを確認する。
・の場合:
である。
・の場合:
なのでであり、である。これは、を意味している。
・の場合:
同様にを固定するとき、なので であり、。
・の場合:
とおくと、である。
および
より
と書き換えられる。以下、整数を固定する。整数がを満たしているとすると、であることから
となる。これより、
と変形できる。ここで、をに関する多項式だと思えば、それは次である。なので
と書ける*2。よって、
を得る。
なので*3、結局 が示された。
また、のときを考えると、 ならば であるし、 ならば なので である。すなわち、
が成り立つ。以上によって、とは次数より一つ多い個の相異なる数で値を共有していることが判明し、であることが示された:
−(⭐︎)
が与えられたときに
となるように を選ぶ(であることに注意)。このとき、(⭐︎)の左辺は
となり、(⭐︎)の右辺は
となる。 Q.E.D.