以下のサイトに発見されている巨大素数のトップ10が掲載されています:
https://primes.utm.edu/largest.html
第1位のは今年の1月に発見が宣言されたもので記事にしました:
実は先日新しい巨大素数が発見されたらしいのです!第7位を見てください!
それは桁の素数であり、そのお姿は
です!上記表におけるこれ以外の9つの素数は全てMersenne素数です*1。
一人だけがついており、何でこんなものを探索していたのか不思議に思われるかもしれませんが、実はこの発見はある未解決問題の解決への進展を意味します。
それは次の問題です:
Sierpinski数とはが全ての自然数
に対して合成数となるような正の奇数
のことを言います。
がSierpinski数であることの証明は以前紹介しました:
integers.hatenablog.com
上記未解決問題を解決するためには、未満の全ての正の奇数
がSierpinski数でないことを示せばよいです。そのためには、そのような
毎に
が素数となるような
を1つでも見つければよいのです。
実はそのようなが見つかっていない
が今までは
の6つ知られていたのですが、今回の巨大素数の発見により、はSierpinski数ではないことが確認されたため、上記未解決問題を解くために調べる必要のある数が残り
の5つに減ったことになります。
今回の巨大素数発見のニュースには実はこんな数学的意味が込められていたのです。果たして、はやはり最小のSierpinski数なのか?それとも、上の5つの数の中にSierpinski数が存在するのか?我々が生きている間にその答えを知ることはできるでしょうか??
・次の記事も合わせてお読みください:
integers.hatenablog.com
・今回のニュースは2chで知りました:
というのも、昨日から何故かSierpinskiの記事へのアクセスが増えていて、よく見てみると2chに記事を紹介されており、辿ってみるとこのニュースの記事が書かれていて「Wow!」となったので慌てて私も記事を書いた次第です。日本語版Wikipediaによれば10/31には発見されていたようです。
*1:の形をした素数。
integers.hatenablog.com