この記事ではの群構造についてまとめています。
1.1
と素因数分解されているとき、中国剰余定理によって
が成り立つので、
を得る。すなわち、問題はのときに帰着される(は自然数)。
1.2
のとき、が成り立つ。
証明. 奇数が存在して、と書けることを示せばよい。に関する帰納法で証明する。なので、。が存在したと仮定すると、
より、とすればよい(このときは奇数)。 Q.E.D.
1.3
証明. のときは明らか。、とする。また、(resp. )が生成するの部分群を (resp. )と表す。で割ったあまりを考えることによって、がわかるので、自然な埋め込みがある。1.2より
なので、
が示された。 Q.E.D.
はEulerのトーシェント関数。である。
1.5
を法の原始根とする(1.4より存在する)。このとき、またははを満たす。
証明.
よりわかる。 Q.E.D.
をを満たすような法の原始根とする。が奇素数、ならばによって定義されるはで割り切れないような整数である。
証明. がで割れないような整数であることはの取り方からOK。として数学的帰納法で証明する。すなわち、はで割れない整数であると仮定する。このとき、
が成り立つ。ここで、pCrはpの倍数 - INTEGERS*1およびであることを用いている。従って、であることがわかり、特にはで割れない整数である。 Q.E.D.
1.6
証明. をなる法の原始根とする。のにおける位数はの約数なので、非負整数を用いてと書ける(, )。と仮定しよう。なので、
が成り立つが、Fermatの小定理によって
となってが法の原始根であることに反する。従って、を得る。すると、1.5よりも従い、が法の原始根になっていることがわかった。 Q.E.D.
2.1
群の同型があって、はそれぞれ位数の巡回群とする。このとき、が巡回群になるための必要十分条件はとが互いに素であることである。
証明. の任意の元に対してが成り立つので、の位数はを割り切る。従って、が巡回群であればとは互いに素でなければならない。逆は中国剰余定理よりわかる。 Q.E.D.
2.2
証明. が奇素数であればは偶数である。このことに注意すれば、1.3, 1.6, 2.1より従う。 Q.E.D.
*1:タイトルの事実のみを使うため、リンク先を読む必要はありません。