インテジャーズ

INTEGERS

数、特に整数に関する記事。

ブニャコフスキー予想と41と1091

1857年にBunyakovskyによって提出された有名な予想があります。

Bunyakovsky予想 次数が1以上の整数係数多項式 f(x)に対して、集合S(f):= \{f(n) \mid n \in \mathbb{N}\}が素数を無数に含むための必要十分条件は次の三条件を満たすことである:
(I) f(x)の先頭項は正である. (II) f(x)\mathbb{Z}[x]において既約. (III) \mathrm{gcd}(S(f) )=1.

円分多項式

予想の条件を満たす多項式として円分多項式があります*1

f(x)が一次式のケースはDirichletの算術級数定理なので解決していますが、二次以上の場合の十分性が証明されているケースはありません。

\Phi_4(x) = x^2+1の場合ですら未解決であり、これは所謂Landauの第四問題です*2

Eulerの幸運数

多項式x^2+x+41もBunyakovsky予想の条件を満たしますが、x=0, 1, \dots, 39を代入すると全部素数となるため、41Eulerの幸運数と呼ばれています。

tsujimotter.hatenablog.com

1091の話

1091は素数なので、Eisensteinの判定法によってx^6+1091はBunyakovsky予想の条件を満たします。なので、予想としてはx^6+1091型素数は無数に存在しますが、x=1, 2, \dots, 3905を代入すると全て合成数です。そして、x=3906を代入して初めて素数

3906^6+1091=3551349655007944406147

に出会います。

*1:素数pに対して p \nmid \Phi_n(p)であることから条件(III)を満たすことがわかります

*2:第一問題=Goldbach予想、第二問題=双子素数予想、第三問題=Legendre予想