Fermat商とWilson商と呼ばれる対象を以前紹介しました:
1093, 3511:ヴィーフェリッヒ素数 - INTEGERS
563:Wilson素数 - INTEGERS
実はこれらは次のように密接に結びついています:
Lerchの合同式 奇素数に関する合同式が成り立つ。
証明. Fermat商の定義より、に対して
が成り立つので、これらを掛け合わせることにより
が成り立つ。左辺を展開してで考えることにより、
―①
を得る。一方、Wilson商の定義より
なので、
―②
が成り立つ。①、②を比較することにより証明すべき合同式が得られる。 Q.E.D.
の合同式を証明するためにで議論するという少しトリッキーな証明です。
このLerchの合同式に基づいてSondowは次のような商を提唱しました:
定義 奇素数に対して、Lerch商をと定義する。
そうして、Fermat商からWieferich素数、Wilson商からWilson素数という概念が生まれたのと同様にして、Lerch素数が定義できます:
定義 奇素数がLerch素数であるとは、が成り立つときにいう。
見つかっているLerch素数はの4つです。
なお、少し面白い問題をSondowが提起しています:
Question Lerch商が素数になるのはだけか?