インテジャーズ

INTEGERS

数、特に整数に関する記事。

整数

マーティン・ガードナーのラッキー数 2187

マーティン・ガードナーが住んでいた家の住所にという数があったそうです。何故この数がマーティン・ガードナーのラッキー数と言われているかというと、ラッキー数になっているからです。 integers.hatenablog.com他にも次のような式が成り立ちます:

オイラーの五角数定理の証明

Eulerの五角数定理は非常に美しい定理です。収束半径はですが、形式的冪級数の等式と考えるのがよいでしょう。この定理は過去の記事で一度使ったことがあります: integers.hatenablog.comEulerの五角数定理より偉い定理であるJacobiの三重積というものがあ…

203233, 203249, 203279, 203293

は連続する四つの素数です(番目の素数から番目の素数)。が連続する四つの素数であるとき()、が平方数になるような最小の例が上の四つの素数達です。とすると、となっています。

岩波科学ライブラリー253『巨大数』〜アッカーマン関数に関する合同式について〜

9/6発売の書籍鈴木真治著『巨大数』岩波科学ライブラリー253を購入しました。 一切のネタバレを嫌う方はこれ以降は読まれた後にご覧になってください。 この本は巨大数史をまとめた初めての本であり、 かなり古い時代に考えられた巨大数 自然科学に現れる巨…

素数とはA~Zで見つけられる数である(証明編)

Jones-Sato-Wada-Wiensによる素数公式の証明の解説記事。

34以上の任意の整数は相異なる三角数の和として表すことができる

この記事では標題の主張を証明します。この事実からは「相異なる三角数の和として表すことのできない最大の整数」という特徴を持っていることがわかります。 証明は integers.hatenablog.com で紹介したSierpinskiの補題に基づきます:補題 (Sierpinski 1955…

フォーチュン予想

エイプリルフールに出した問題 integers.hatenablog.com の問1:問1 素数を順番に掛け合わせて足した数をEuclid数という*1:これらは偶然全て素数であるがは素数でない。それでは、以上の考察を受けて 「素数を個順番に掛け合わせて足し合わせると素数とな…

1093と3511について

1093および3511がWieferich素数であることの証明

100以下の自然数に魅せられて

1から100までの数の性質を集める記事。

ほとんど整数「黄金比の冪乗」の整数部分

ほとんど整数について、もっちょさんが記事を書かれています: motcho.hateblo.jpほとんど整数は楽しい話題ですが、私なんかは昔からが好きです。もっちょさんが扱ったほとんど整数はです(は黄金比)。 ー(も)が整数であり、からなので、はが大きくなればなる…

267815592211

Googleアナリティクスを全く活用していないことに気づいたので、さっき少しチェックしてみたら自分の記事を引用しているYahoo知恵袋の質問がありました。detail.chiebukuro.yahoo.co.jpこの質問の式は見たことがなかったのですが、とりあえず面白いので紹介…

アペリー数

アペリー数の定義、数値例、Gesselの定理とその証明

211^2=44444+77:二つのレプディジット数の和として表される平方数

本日arXivに投稿されたプレプリントB. Goddard, J. Rouse[1607.06681] Sum of two repdigits a squareによれば、二つの二桁以上のレプディジット(十進法表記で同じ数を並べてできる数)の和として表される平方数はに限ることを証明したと主張しています。証明…

レピュニット

のようにを繰り返し並べて出来る整数のことをレピュニット(Repunit)といいます(Repeated unitの略)*1。特に、は素数です。このような素数をレピュニット素数と呼びましょう。以外にレピュニット素数はあるでしょうか? 下から順に素因数分解してみましょう。…

十分大きい任意の整数は相異なるn乗数の和で表すことができる。

この記事では次の定理の証明を解説します*1:定理 (Sprague, 1947) を自然数とする。このとき、ある整数が存在して、より大きい整数は全て相異なる乗数の和として表すことができる。ただし、この記事全体において乗数と言えば「自然数の乗数」を意味するもの…

128より大きい任意の整数は相異なる平方数の和として表すことができる。

と言えばですが、「相異なる平方数の和として表すことができない最大の整数」という特徴を持っています。すなわち、相異なる平方数の和として表すことができない自然数は有限個しか存在せず、それは次の個の整数です:Lagrangeの四平方の定理は「全ての自然…

6より大きい任意の整数は相異なる素数の和として表すことができる

は相異なる素数の和としては表すことができません。一方、次の定理が成り立ちます:定理 (Richert, 1949) より大きい任意の整数は相異なる素数の有限個の和として表すことができる。証明. 素数は無数に存在するので、次の主張を示せば十分。で小さい方から数…

Leyland素数

京都大学の入試問題としても出題された、「素数を用いてと表すことのできる素数はのみである」ということに関連する記事を以前書きました:integers.hatenablog.com上記記事では巡回和素数という方向性の一般化を提案しましたが、この記事ではを素数とは限ら…

1/2+1/3+1/6=1 多重調和和の非整数性

実は、今月初めにパソコンが壊れてしまったため、ブログを二週間近く更新出来ませんでした。大変、申し訳ございません。新しいパソコンが届いたので更新を再開しようと思います。以前、調和数がの場合を除いて整数にはならないことを証明しました:16843:ウ…

虚二次体の類数表(その一)

より大きい無平方な整数を用いてと表されるとき、のことを虚二次体と言います。一般に有限次代数体に対して、その分数イデアル全体のなす群および単項分数イデアル全体のなす群が定まり、のことをのイデアル類群と言います。イデアル類群は有限群であり、を…

完全順列とモンモール数

モンモール数に関する解説記事。

120121:二面体素数

二面体素数という面白い素数を紹介します。自然数を(十進法で)7セグ表記し、それに180°回転と真横の軸に対する鏡映によって生成される二面体群(クラインの四元群)の元を作用して得られる四つの図形が全て素数(の7セグ表記)になっているとき、その自然数を二…

30:Lucas数列と原始的約数

*1がLucasペアであるとは、が代数的整数で、およびがともに零でない互いに素な整数であり、更にがの冪根でないときにいいます。Lucasペアに対して、二種類のLucas数列をによって定義します。漸化式で書くと、となります。のとき(, は黄金比)はそれぞれFibo…

親愛なる素数7758337633へ。あなたが好きです。

Ramanujanの関数に関する非常に難しい未解決問題を紹介します。integers.hatenablog.comに掲載した数値例をみると、 の四つは「がの倍数である」という著しい性質を持ちます。しかし、以降は全然同じ性質を満たす素数が出現しません*1。このような素数は非常…

ラマヌジャンのΔと或る重さ2の保型形式の間の合同式

これまでRamanujanのとそれから定まる数列についてその性質をいくつか調べてきました。.今回は別の無限積を考えてみましょう:.によって数列を導入します。これは実は或る重さの保型形式のFourier級数展開になっています。素数に対するの値を少しだけ見てみ…

Ramanujanのτ関数の満たす合同式と23の不思議

と言えばマイケルジョーダン素数ですが、或いは円分体の類数を思い出す人も多いでしょう。5/13の記事において、素数に対するRamanujanの関数の値の素因数分解データを100個掲載しました: integers.hatenablog.comその素因数分解を眺めていると、という小さ…

|τ(n)|が素数となる数値例

Ramanujanの関数シリーズがしばらく続いています。integers.hatenablog.comで次の定理を紹介しました:定理 (Lehmer 1965)の絶対値が素数となるような最小のはであり、である。の乗法性から絶対値が素数になるようなをサーチするにはが素数冪のときだけを考…

47, 131:ウラム数

は「とがともにUlam数である」という性質を満たす知られている最大の数 (しか知られていない)。Ulam素数でもある。は「連続するUlam数の和となるようなUlam数である」という性質を満たす知られている最大の数(他にはしか知られていない)。こちらもUlam素数。…

691:ラマヌジャンの発見した驚くべき合同式

Ramanujanの発見した魅力的な数列に関する記事第二弾です! integers.hatenablog.com前回はからまでの値を眺めましたが、今回は素数に限定して100個眺めてみましょう!素数に対するの数値(最初の100個の素数) いかがでしょう。ちなみに、この数値例を私は…

ラマヌジャンの見つけた魅力的な数列

Ramanujanが1916年に発見した数列は今なお数学者を魅了し続ける大変美しい数列です。これは保型形式のFourier係数として定義されます。に対してとおくとき(は上半平面)、は無限積表示を持つため、逐一展開すれば原理的には手計算でもを計算できることが分か…