インテジャーズ

INTEGERS

数、特に整数に関する記事。

来いよ二郎君積分

定理 (Broadhurst*1, 2001) 次の積分の等号が成り立ち(つまり左辺は整数), この整数は素数である。 参考ページ: https://primes.utm.edu/lists/single_primes/CP_Problem8_21.txt*2 *1:David Broadhurstは物理学者。このような型の積分は場の量子論に現れる…

Dicksonの予想ととある疑問

素数に関する次のような予想が知られています。自然数はこの記事では正の整数とします。Dicksonの予想 (1904) 自然数に対し、は自然数、は整数とする。もし、「各素数毎に自然数が存在して積はで割り切れない」が成り立つならば、が全て素数となるような自然…

IMO1986 Problem 3

国際数学オリンピックで次のような問題が出題されました(出題文は変更)。正五角形の各頂点に整数を一つずつ割りあてる。五つの整数の和は正であるとする。連続する三頂点に割り当てられた整数について、が負である場合はをそれぞれに書き換える操作を行う。…

もし1分以内に8を見つけられたら、あなたは天才!

Aさん 「を見つけた」 Bさん 「を見つけた」 Cさん 「これは素数だ」 Dさん 「これは各桁の総和が丁度万となるような最小の素数だ」

レスターの定理

じすがなぼ まずは歌いましょう。www.youtube.com参考記事: 三角形の五心の覚えておくべき性質を整理 | 高校数学の美しい物語 重心 三角形に対して、辺の中点をとする。辺, 辺についても同様に考えてを定義する。定理: 直線は一点で交わる。この一点を重心と…

ゴールドバッハ・オイラーの定理

Riemannゼータの値の小数部分を足してみます。integers.hatenablog.com. 全部足すとになります。 Goldbach-Euler 証明. Riemannゼータの定義よりこれは望遠鏡和の例題2よりに等しい。 Q.E.D.

IMO2006 Problem 6

2006年の国際数学オリンピックで次の定理を証明させる問題が出題されています。定理 凸多角形の各辺にその辺を一辺とするに含まれる三角形のうち面積が最大となるものを割り当てる。このとき、割り当てられた三角形の面積の全ての辺に対する総和はの面積の二…

ブニャコフスキー予想と41と1091

1857年にBunyakovskyによって提出された有名な予想があります。Bunyakovsky予想 次数が以上の整数係数多項式 に対して、集合が素数を無数に含むための必要十分条件は次の三条件を満たすことである: (I) の先頭項は正である. (II) はにおいて既約. (III) . 円…

四つ子非正則素数

tsujimotterさんが非正則素数チェッカーを公開されました。tsujimotter.info早速遊んでいたら四つ子非正則素数を発見したので報告致します。

65537

は「平方数+立方数」と四通りの方法で表すことのできる最小の素数。ただし、平方数・立方数はそれぞれ正整数の二乗・三乗を考える。

巨大合体ナンプレと社交数

2017年10月7, 8日に開催されたイベントMATH POWEでは来場者参加型耐久企画「巨大合体ナンプレに挑戦」がありました。こちらは、通常のナンプレを個合体させた「巨大合体ナンプレ」で、総ヒント数、総マス数でした。この巨大ナンプレのPDFを公式ホームページ…

18と長方形

は辺の長さが正整数で周長と面積がともにである正方形でない長方形が存在する唯一の整数です。これは三浦さんに教えてもらって知りました。証明は高校数学レベルです。

最近の話題

最近の話題 講演 素数の織り成す構造〜ガウスからグリーン・タオへ〜 MATH POWER 2017 - INTEGERSでは時間の都合上、Green-Taoの定理の先にあるものとして未解決問題であるErdős-Turán予想を紹介して終わりました。ここでは既に証明されているGreen-Taoの定…

素数の織り成す構造〜ガウスからグリーン・タオへ〜 MATH POWER 2017

講演スライドを公開します。スライド番号や間違い等は再構成・修正してあります。 スライドはKeynoteで作成し、数式はLaTeXiTを利用して作成しました。 1枚目 2枚目 3枚目 4枚目 5枚目 6枚目*1 7枚目 8枚目*2 9枚目 10枚目 11枚目*3 12枚目*4 13枚目*5 14枚…

グリーン・タオ論文を読み終える

9/6から始めた短期集中連載『等間隔に並ぶ素数を追い求めて』もこの記事で最後となります。integers.hatenablog.comまず、Baudetの予想 = van der Waerdenの定理を証明し、integers.hatenablog.comTaoによる、vdWの定理を用いたSzemerédiの定理の緻密な証明…

グリーン・タオ論文の§10を読む(その二)

この記事でGoldston-Yıldırım型定理Bを証明します。(再掲) Goldston-Yıldırım型定理B (Proposition, 9.6) を正整数とし、をを満たすような相異なる整数とし、とおく。を長さが以上であるような内の区間との共通部分として、と互いに素な整数をとる(以上、以…

グリーン・タオ論文の§10を読む(その一)

§10 Correlation estimates for を読みます。前節において、Goldston-Yıldırım型定理A, Bを証明することに全てが帰着されました。この記事ではGoldston-Yıldırım型定理Aを証明します。ただし、Riemannゼータ関数が関わるコンタワー積分の漸近挙動に関する補…

グリーン・タオ論文の§9を読む(その三)

Goldston-Yıldırım型定理Bを仮定して、が-相関条件を満たすことを証明します。補題 (Lemma 9.9) 正整数パラメータに対して関数 が存在して、次の三条件を満たす: (i)任意の零でない整数に対して である。 (ii)相異なる個の整数を任意にとったときに、が成り…

グリーン・タオ論文の§9を読む(その二)

Goldston-Yıldırım型定理Aを仮定して、が-線形形式条件を満たすことを証明します。命題 (Proposition 9.8) は-線形形式条件を満たす。を代表元をとる関数とする(全成分で代表元をとる写像も同じ記号を用いる)。証明. を正整数とする。分母・分子の絶対値が以…

グリーン・タオ論文の§9を読む(その一)

§9 A pseudorandom measure which majorisies the primes を読みます。(無限版)Szemerédiの定理は整数からなる集合が任意の長さの等差数列を含むための(上漸近密度が正であればよいという)十分条件を与える定理でした。従って、実際に個々のケースで等差数列…

グリーン・タオ論文の§8を読む(その二)

前記事の命題(一般化Koopman-von Neumannの構造定理)の証明はTao(2006)の論文で扱ったエネルギー増加法の考え方で証明されます*1。この考え方に基づいて、構造定理は次の命題に帰着されます。命題 (反復ステップ, Proposition 8.2) を-擬ランダム測度とし、…

グリーン・タオ論文の§8を読む(その一)

§8 A Furstenberg tower, and the proof of Theorem 3.5 を二回に分けて読んでいきます。この記事では、擬ランダム測度に対するSzemerédiの定理 (Thm 3.5)を構造定理 (Prop 8.1)に帰着させます。ここで、改めてTaoによるSzemerédiの定理の証明のスキームを思…

グリーン・タオ論文の§7を読む(その二)

後半で基本Gowers反一様関数達に良い性質を持つ-加法族を付随させる命題を証明します。命題 (Proposition 7.3) を-擬ランダム測度とし、を整数とする。また、は基本Gowers反一様関数、 はパラメータ、は§7(その一)の命題で存在する-加法族であり、とする。こ…

グリーン・タオ論文の§7を読む(その一)

§7 Generalized Bohr sets and -algebras を二記事に分けて読みます。最初は上の-加法族に関する基本用語が述べられていて、Tao(2006) §6(その一)の内容と重複しています。ので、全部省略できますが、前の記事で述べていなかった点を補足しておきます。を上…

グリーン・タオ論文の§6を読む(その二)

後半では基本Gowers反一様関数に関する一様分布性を証明します。定義 を-擬ランダム測度とする。が任意の に対して成り立つような関数 によって と表されるような関数のことを基本Gowers反一様関数とよぶ。とすると、§6(その一)の補題より、十分大きい に対…

グリーン・タオ論文の§6を読む(その一)

§6 Gowers anti-uniformity を二回に分けて読んでいきます。定義1 関数 に対して、のGowers反一様性ノルム をで定義する。はにノルム を付随して得られるBanach空間。感覚としては、Gowers一様性ノルムが小さければ小さいほどGowers一様性が高く、Gowers反…

Eテレ『又吉直樹のヘウレーカ!』に出てきた商品のお値段

又吉直樹先生、千葉逸人先生、鈴木咲衣先生による数学に関する番組が昨日放映されました。私は23日から東京に滞在しており、昨日の深夜に帰ってきたため、今日の朝に録画を観させていただきました。ちなみに、23日の夜にとある飲み会で千葉先生とすれ違いに…

グリーン・タオ論文の§5を読む(その二)

後半のこの記事では、擬ランダム測度に対する一般化von Neumann定理の主張を述べて、(かつ)の場合の証明をした後に一般の場合を証明します。論理的にはの場合の証明を別途与えることは不要ですが、証明の本質を理解するためにGreen-Taoが書いてくれているの…

グリーン・タオ論文の§5を読む(その一)

§5 Gowers uniformity norms, and a generalized von Neumann theorem を二回に分けて読みます。この記事ではGowers一様性ノルムの定義を行います。Tao(2006)の方でも既に取り扱っていますが、Gowers内積を用いてGowers一様性ノルムを再定義し、Tao(2006)で…

グリーン・タオ論文の§3を読む

§3 Psuedorandam measures を読みます。測度の線形形式条件、相関条件を定義し、擬ランダム測度に対するSzemerédiの定理を定式化します。定義1 (線形形式条件, Definition 3.1) を測度とする。正整数パラメータに対して、が-線形形式条件を満たすとは次が成…