インテジャーズ

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数、特に整数に関する記事。

相異なるr個の素数の積で表されるような数の個数に関するランダウの定理

以前、Ramanujanの不等式integers.hatenablog.comを紹介した際に証明を割愛したLandauの定理定理 (Landau) 、は正の整数とし、を相異なる個の素数の積として表せる以下の数の個数とすると、が成り立つ。の証明を紹介します。 記号 幾つかの補助的関数を導入…

Weyl Differencing

Weyl DifferencingによってWeylの一様分布定理を二次式の場合に拡張しましょう。記号: 実数に対して、に一番近い整数との距離をと表し*1、とします()。補題1 を任意の実数とし、を正の整数とする。このとき、が成り立つ。証明. 三角不等式よりが成り立つ。…

ソフィー・ジェルマンの定理

Fermatの最終定理に関するSophie Germainの定理とその証明を解説します。前回の記事でSophie Germainによるグランドプランが失敗に終わったことを紹介しました:integers.hatenablog.comしかし、彼女は転んでもただでは起きません。奇素数を固定します。グラ…

ファン・デル・ヴェルデンの定理

次の有名定理の証明を解説します:Van der Waerdenの定理 (1927) 任意の正の整数に対して、或る正の整数が存在して次が成り立つ: なる任意の整数に対して、からまでの整数をどのように色に塗り分けたとしても、必ず同じ色で塗られた長さの等差数列が存在する…

フィボナッチ数とp進数

を番目のFibonacci数とします:integers.hatenablog.comに対して、二つのFibonacci数の商からなる集合をと定義します。黄金比をとするとき、Binetの公式よりの元はにおいての整数乗の近くにしか分布しません。一方、次が成り立ちます:定理*1 任意の素数に対…

パワフル数に関するMcDanielの定理の証明

パワフル数に関する記事integers.hatenablog.comで紹介したMcDanielの定理定理 (McDaniel 1982) でない任意の整数に対して、その数を二つの互いに素なパワフル数で表す表し方が無数に存在する。の証明を紹介します。を平方数でないような整数とし、正整数に…

孙智伟さんによる新作定理

を以下の素数の個数、を番目の素数とします。なのでが成り立ちます。また、よりが成り立ちます。こういったものは数遊びですが、次のようにまとめると数学の定理らしくなります:定理1 を以上の整数とする。このとき、或る正の整数が存在してが成り立つ。こ…

Golombの定理

素数個数関数に関するGolombの定理を紹介します。証明に使うのは –①のみです。これは素数定理から出ますが、素数定理を用いることなく初等的に導出できる点には注意しておきます。Golomb曰く、Eulerが既に示していたとのことです。Euler先生は何でもやってま…

ウェダーバーンの定理

環と言ったら可換環のことを指すというようなことはなくて、普通は非可換環も含めて環なので、可換環しか扱わないような場合は最初に明言する必要があります。を持つかなども基本的には書かなければなりません。一方、体と言ったら普通は可換体を表します。…

Zsigmondyの定理

高校数学の美しい物語さんの記事mathtrain.jpを初めて見たとき、一つだけ知らない定理がありました。それがZsigmondyの定理です:Zsigmondyの定理 を互いに素な自然数とし、を以上の整数とする。このとき、およびかつがの冪であるという例外ケースを除いて、…

「√2+√3+√5+√7は無理数である」など

この記事は日曜数学アドベントカレンダーの17番目の記事です。http://www.adventar.org/calendars/1777www.adventar.org昨日の記事はToshiki Takahashiさんのリープグラフと複素確率 | Advent Calendar 2016 | DIY Mathematics |でした。 今日は、キグロさん…

関-ベルヌーイ数の第二種Stirling数を用いた公式

関-Bernoulli数は第二種Stirling数を用いて表すことができます。関-Bernoulli数については integers.hatenablog.comを、第二種Stirling数についてはintegers.hatenablog.comを参照してください。関-Bernoulli数は一つ目の記事で紹介したように -①を満たすよ…

局所有限性に関する補題

定義 位相空間の部分集合族が局所有限であるとは、の各点が高々有限個のの元としか共通部分を持たないような近傍を持つときにいう。補題1 を位相空間、をの局所有限な部分集合族とし、の元は全て閉集合であるとする。このとき、も閉集合となる。証明.をの補…

ラッキー数定理

この記事ではラッキー数を紹介します。Wikipediaでは幸運数という訳語で紹介されていますが、Eulerの幸運数とは異なるものです。Eulerの幸運数についてはtsujimotter.hatenablog.comを参照してください。 ラッキー数の定義 素数はEratosthenesの篩という篩に…

ディリクレの算術級数定理のL関数を用いない証明

記念すべき250記事目ということで、整数論における極めて有名な次の定理の証明を解説します:Dirichletの算術級数定理 を互いに素な自然数とする。 このとき、 の形で表される素数は無数に存在する。 初等的証明が知られているケース 算術級数定理の証明を知…

オイラーの五角数定理の証明

Eulerの五角数定理は非常に美しい定理です。収束半径はですが、形式的冪級数の等式と考えるのがよいでしょう。この定理は過去の記事で一度使ったことがあります: integers.hatenablog.comEulerの五角数定理より偉い定理であるJacobiの三重積というものがあ…

アペリー数の超合同式

8/24に投稿されたRosenのプレプリントでApéry数に関する次の美しい超合同式*1が示されています:定理 (Rosen) 以上の素数に対して*2 が成立する。ここで、はApéry数を表す。Apéry数については integers.hatenablog.com を参照してください。1980年出版の論文…

リーマンの再配列定理

の証明 級数を考える。これはに収束する: mathtrain.jp となるので、両辺をで割ることによってが得られる。 ちなみに、他にもたくさんのの証明が知られています: 絶対収束と条件収束 冒頭の証明のどこが間違っているかというと、(⭐︎)の行を等号で結んでい…

リーマンゼータ関数の級数表示による解析接続

リーマンゼータの解析接続には様々な証明が知られています。このブログでも、Riemann自身による2つの証明のうち、テータ関数を使う方を紹介しました: integers.hatenablog.comRiemannのもう一つの証明はコンタワー積分を使うもので、どちらも関数等式も同…

奇跡の漸化式〜creative telescoping〜

この記事では、Apéryの定理の証明においてクリティカルな部分となる次の定理を証明します:定理 (Cohen-Zagier) 漸化式で定まる二つの数列を考える:このとき、の一般項はで与えられる。パスカルの三角形に現れない二項係数についてはと規定します。証明のテ…

数列の漸近挙動に関するポアンカレの定理

数学ガールの秘密ノート〜数列の広場〜 書籍『数学ガールの秘密ノート/数列の広場』を読みました。オリジナル問題を作ってみたので挑戦してみてください*1: 定数係数線形漸化式 定数係数項間線形漸化式を考えましょう()。これは特性方程式の根(重複を込め…

一年生の夢とLucasの合同式

一年生の夢(Freshman's dream)とはのことを言います。中学生が展開を習ったときにが正しいところをと間違えてしまうことはよく見かける光景だと思います。ちなみに二年生の夢(sophomore’s dream)もあるのですが、こちらは正しい式です:mathtrain.jp 一年生…

クロネッカーの稠密定理とワイルの一様分布定理

この記事では有名なKroneckerの稠密定理とWeylの一様分布定理を解説します。高木貞治『解析概論』において (証明はむつかしいが, が無理数ならば, 単位円周上の定点を起点として同じ向きに長さがなる弧を取れば, 点は円周上に稠密に分布される). という記述…

ストーン・ワイエルシュトラスの定理

Weierstrassの多項式近似定理 integers.hatenablog.com は1937年にStoneによって拡張されました(通称Stone-Weierstrassの定理)。それを述べるために言葉の導入から始めましょう。をコンパクト位相空間とします。このとき、連続関数空間を考えましょう。はコ…

ディリクレの近似定理

有理数と無理数を分かつもの。それは「近似の精度」である。Dirichletの近似定理 を実数とする。このとき、任意の自然数に対して整数が存在して、およびが成り立つ。証明. をと分ける。を考える。このとき、鳩の巣原理からが存在して、とは同じ小区間に属す…

ワイエルシュトラスの多項式近似定理

この記事では、Weierstrassの多項式近似定理の証明を解説します:定理 (Weierstrass, 1885) を区間上で定義された実数値連続関数とする ()。このとき、任意のに対して多項式が存在して、が成り立つ。証明は何通りもありますが、Bernsteinによるものを解説し…

(Z/nZ)*の群構造

この記事ではの群構造についてまとめています。1.1 と素因数分解されているとき、中国剰余定理によってが成り立つので、を得る。すなわち、問題はのときに帰着される(は自然数)。1.2 のとき、が成り立つ。証明. 奇数が存在して、と書けることを示せばよい。…

約数個数関数の上からの評価

自然数の約数の個数をで表します。は次の公式で求めることができます:公式 とが素因数分解されているとき、が成り立つ。cf.) mathtrain.jp以前の記事でを用いた例として integers.hatenablog.com があります。の上からの評価として、自明な評価がありますが…

与えられた数の倍数となるような類数をもつ虚二次体の無限性について

前回の記事で虚二次体の類数に関する表を眺めました。integers.hatenablog.com表を見ていると自然に疑問に思うことですが、実は次が証明されています:定理1 与えられた数を類数にもつような虚二次体の個数は有限個である。一方、次は未解決問題だと思いま…

Bell数に関するSun-Zagierの定理

をBell数とします。Bell数に関する過去記事一覧: integers.hatenablog.com integers.hatenablog.com integers.hatenablog.com integers.hatenablog.com integers.hatenablog.comZhi-Wei SunはBell数に関する次の興味深い事実を発見しました:Z. W. Sunの予想…

Touchardの合同式

Bell数に関して最初に書いた記事integers.hatenablog.com で紹介した興味深い合同式であるTouchardの合同式Touchardの合同式 任意の非負整数と素数に対して、合同式が成立する。の証明をいつか紹介すると約束していました。この記事で、Hurst-Schultzによる…

pCrはpの倍数

高校生の皆さん! が素数で、 なる整数に対しては必ずの倍数になります!!え?そんなことは知ってるって??そんなあなたのために、今日は第二種Stirling数ヴァージョンの類似の性質を紹介しましょう。なお、以下では二項係数はいつも通りなる記号を用いる…

Bell数に関するHurst-Schultzの定理

をBell数とします。Bell数についてはintegers.hatenablog.com integers.hatenablog.comで記事にしましたが、書こうと思ってその後書き忘れていた部分を書こうと思います(4回分)。Bell数については次の二つの関係式が重要です: ‐① ‐②ここで、は第二種Stir…

相異なるr個の素数の積で表されるような数の個数に関するラマヌジャンの不等式

半素数の記事でを導入しましたが、を以下の相異なる二つの素数の積として表せる数の個数とするとが成り立つためintegers.hatenablog.comで示した漸近公式よりが成り立つことが分かります。実はこれは次のように拡張されます:定理 (Landau) 、は正の整数とし…

Beukers-Hadjicostasの定理

Beukersがの無理性証明に用いた積分表示を一般化したものをHadjicostasが与えています。Beukersによる無理性証明を解説する前段階として、今回の記事ではBeukers-Hadjicostasの定理の証明を解説します。定理 (Beukers-Hadjicostas) は非負整数、はの最小公倍…

Caveney-Nicolas-Sondowの定理の証明

先延ばししていた定理(Caveney-Nicolas-Sondowの定理)の証明の解説を(Robinの仕事に基づいて)行います: integers.hatenablog.com一言で言えば、「Riemann予想の最も初等的な表現を与える定理」です。補題1 は最小の異常数である。証明. は最小の合成数で…

Riemann予想に関するLagariasの定理

前回の記事で、RobinによるRiemann予想の初等的言い換えを紹介しました: integers.hatenablog.com今回は、Lagariasによって得られた別ヴァージョンを紹介します:Lagariasの定理 Riemann予想が成立することと、任意の自然数に対してが成り立つ(等号成立条…

ゼータ関数の零点とリーマン予想

Riemannゼータ関数は においてはEuler積表示をもつため、その範囲では零点*1を持ちません: integers.hatenablog.comまた、階乗の記事 integers.hatenablog.com で言及したように、ガンマ関数は零点を一切持ちません。従ってintegers.hatenablog.com で定義…

リーマンゼータ関数の解析接続と関数等式

この記事では integers.hatenablog.com においてで定義されたRiemannゼータ関数を複素平面全体に有理型接続し、の満たす美しい関数等式の証明をRiemannの方法に従って紹介します。そのためにテータ関数の準備から始めましょう。integers.hatenablog.com を「…

Bell数の母関数表示と第二種Stirling数

前回の記事ではBell数について書きました: integers.hatenablog.comそこで紹介した、Bell数の母関数表示の証明を今回の記事で与えます。. 第二種Stirling数 個の元からなる集合の分割の個数がBell数でしたが、に対して、個の元からなる集合の個の部分集合へ…

非Wieferich素数の無限性とABC予想

Wieferich素数はとの2つしか発見されていません: integers.hatenablog.comということは、知られている素数のうち殆ど全ては非Wieferich素数であるということになります。にもかかわらず、「非Wieferich素数が無数に存在する」ことを数学的に証明しようとす…

トーシェント関数に関する漸近評価

この記事は準備の記事です。、、をそれぞれMöbius関数、Eulerのトーシェント関数、Riemannゼータ関数とします: integers.hatenablog.com integers.hatenablog.com integers.hatenablog.com補題1 をを満たすような複素数とする。このとき、が成り立つ。証明…

1の原始n乗根の一様分布性

定理(の原始乗根の一様分布性) を複素平面上の単位円周とし、弧を一つとって、その長さをとする。また、自然数に対しての原始乗根全体のなす集合をと記す。このとき、が成り立つ。はEulerのトーシェント関数: integers.hatenablog.com注目すべき点はの漸近…

指数持ち上げ補題

次の補題を証明します:指数持ち上げ補題 を奇素数とし、で割り切れない相異なる整数がなる関係を満たすとき、任意の自然数に対してが成り立つ。ただし、の一意的な表示に対して、と定める。証明. として、と表す()。因数分解の右辺の右側の因数を☆とする…

数列lcm[1,2,…,n]のgrowthと素数定理

今回は2つの数列を紹介します(両数列とも数値例を最後の方に掲載しています)。一つ目は数列。自然数に対しての最小公倍数をと定義します: 二つ目はSylvester数列です。これは、、で定義される数列です。Sylvester数列については思い出深い話があるのですが…

素数定理の初等的証明(完結編)

この記事はSelbergによる素数定理の初等的証明を全四回で解説する試みの完結編である。これまでの記事を再掲しておく: integers.hatenablog.com integers.hatenablog.com integers.hatenablog.comこれまでの記号表記で考えると、素数定理はと同値であった。…

素数定理の初等的証明(R(x)の評価編)

この記事は全四回にわたる『素数定理の初等的証明』の第三回目の記事です:integers.hatenablog.com integers.hatenablog.com引き続きは素数、漸近挙動はのみを考えることとし、をによって定義する。『素数定理の初等的証明(予告編)』の最後の大雑把な証明…

素数定理の初等的証明(Selbergの漸近公式編)

この記事は全4回で素数定理の初等的証明を紹介する試みの二回目の記事である: integers.hatenablog.comこの記事ではSelbergの漸近公式を証明する。漸近公式は全てで考える。また、は(必ずしも異なるとは限らない)素数とする。自然数に対して、とする。こ…

素数定理の初等的証明(予告編)

いよいよ素数に関する歴史的大結果である素数定理の証明を紹介します。素数定理の証明には大きく分けてRiemannのゼータ関数を使った証明と初等的証明の二通りの方法があります。このブログを始めたときから両方の証明を紹介するつもりで、当初の考えではゼー…

素数に関する漸近公式

今回は準備の記事です。漸近公式を6つ証明します。漸近公式は全てで考えます。 準備 integers.hatenablog.com で証明した ―①およびintegers.hatenablog.com で証明した補題 ―②とMertensの第一定理を用います。また、これまでも大活躍してきたAbelの総和法 i…